数百年という長い歳月を縛られ続け、怒りや憎しみが増大していく。


「いい加減、この俺をここから出しやがれ!」

「っ!?......絶対に、お前だけは解き放たないっ」

「ぐぅ......っ!?」


鎖の縛りを強固にされてしまった。

でも。

力が削られているのか、デュランの息が上がっている。やはり、力を使っている分、自分よりも消耗が激しいようだ。

死して尚、自らも犠牲にしてでも、自分を閉じ込めておくつもりなのだろうか。

《ふざけんじゃねぇ》

シュヴァイツはギリッと歯を食い縛り、両腕も両足も体も全てを動かそうと試みる。赤い瞳をギラつかせて......。


「ーーっ!?」


同じく赤い瞳で手を翳したまま睨み付け、力を放ってくるデュラン。

アレンの息子とは言え、やはり力の強さはアレンよりも劣っている。長い間、対等に争っていた自分には分かる。

シュヴァイツは怒りに任せ、渾身の力を解き放った。


「テメェごときが、この俺様をいつまでも縛られると......っ、思うなぁーーーっ!!」

「くーーっ!?」


バチンッ!!

次の瞬間、眩い光が弾け、閉ざされた空間に光が満ち、互いの魂が断片として砕けて飛び散り、現世へと飛ばされてしまった。

「お前を野放しにはーー」......意識が途絶える瞬間、そのデュランの言葉を耳にした気がした。