「久し振りだな。ルギィ」


挨拶をしながら近付くと、急に剣呑な眼差しを向けられ、両手を伸ばされたかと思えば、両頬を挟むように掴まれて面食らってしまう。じっと目を細められて見据えてくる顔が怖い。

ルグラッドーールギィは、見た目はとても綺麗な女のように化粧もバッチリしているが、喉元には隠しきれない突起物もある、正真正銘の男だ。初対面時はとても驚いたものである。


「な、何だ、ルギィ......？」

「......あんた、女ならお風呂に入りなさいよっ！ 全く汚れが落ちてないじゃないっ！」


目の前で一喝され、思わずたじろいでしまう。

入りたかったが、旅の道中に街も村も無かったと言いたかったが言える雰囲気ではない。


「ほらっ！ ギルド内のお風呂貸してあげるからさっさと入ってきなさい！」

「いや、あの、でもーー」

「四の五の言うんじゃないわよっ！」

「は、はいっ！」


リーファネルは仕方無く、ギルド内のお風呂を借りることにした。

ギルドの奥の風呂場へと移動し、着ていた衣類などを脱ぎ、中で髪と体を綺麗に洗い流す。......気持ちいい。