ドンドンドンドン。

狙ったのは両目と胴体。胴体は盾で防がれたが、両目には当たったようだ。再び叫んでは縦横無尽に暴れ回り、意味の無い方向に剣を振り回す。その隙に、手放してしまった剣を拾ったリーファネルは、背後から心の臓を貫いた。

断末魔のような叫び声を上げるも、ガクンと膝から崩れるように倒れ込み、その体は青い炎に包まれ消えていく。その瞬間、体ごと光に包まれた。目の前にまたあの男が姿を現す。






「よぉ、アレン」

「......またお前か。俺は忙しい」


どこかの建物内の立派な回廊の曲がり角に片肘をついて、目の前の青い瞳を持つ、外套を羽織ったアレンに話し掛けるシュヴァイツ。

《気に入らねぇ》

通り過ぎようとするアレンの行く手を阻むように立つ。


「何の用だ」

「けっ。テメェは、そのまま玉座を引き継ぐつもりなんだろう?」

「それが決まりだ。代々引き継いできたのは俺の血筋だからな」

「俺はテメェが気に食わねぇ。血筋が何だっつーんだ」