リーファネルは構えを解かずにゆっくりと広間へ近付いていく。すると、背後の扉が自動で閉まり始め、バタンッと閉じてしまった。

グガァァァ......!

大きな口を開け、広間に響く声で叫ぶ魔物。よくよく見てみると、ドラゴンのようだ。仁王立ちで剣と盾を持っていることから、ドラゴンナイトとでも言えば良いだろうか。

おそらく、倒さなければ扉は開かれないだろう。広間の端には、倒されてしまったのだろう、人間の骨が転がっている。

息を飲んで剣を抜き、一呼吸分の間を置いて、リーファネルは地を蹴り駆け出す。


「はぁっ!」


剣を振り下ろしたのを盾で防がれ、剣を突き出されて避ける。意外と素早い。反応も判断も......。

《知能が高いのか......っ!》

厄介だ。

後ろに飛び退くと、すぐさま距離を縮めるように迫ってくる。剣を振り上げて振り下ろされ、剣は床にめり込んだ。......力もある。

だが、リーファネルは横へと転がるように避け、ドラゴンナイトの脚を薙ぎ払うように斬りつけた。

ギャアァァァ!と痛がるように叫ぶ。

そして、長くて太い尾を振ってきて体に当たってしまう。


「ぐーーっ」


弾き飛ばされ、広間を転がった。その反動で剣が手から離れたが、腰にある二丁拳銃を手に取り、向かってくるドラゴンナイトに向けて放つ。