壁に手を付きながら慎重に進み、辺りを警戒するように暗闇に目を凝らす。

ガコン......


「ーーっ!?」


手を付いていた四角いタイルのような壁が1枚、音を立ててへこんだ。バランスを崩しかけたが、すぐさま腰に据えた剣の柄に手を掛け姿勢を低くする。身構えていると、暗かった遺跡の中を点々と灯りが点って通路を照らした。どうやら、灯りが点く仕掛けだったらしい。

《遺跡の仕掛け、か......》

構えを緩めた瞬間、ひた、ひた、と背後から音が聴こえて振り向く。そこにはスライムがいてゆっくりと近付いてきていた。

古い遺跡だ。魔物が居ても不思議ではない。

リーファネルはすぐに剣を引き抜いて斬り掛かる。


「はぁっ!」


一刀両断するが、斬られた部分から分裂して増殖した。


「なーーっ!?」


剣は効かないらしい。その間も、じりじり近付いてきて、2体のスライムが噛み付こうとしてくるので、リーファネルは後ろへと飛び退く。

《どうすれば倒せる?》

ゆっくりと近付いてくるスライムの位置を把握しながら辺りを見回す。

《何か......何か無いのか?》

歯噛みしながら見回していると、ふと、一点に視線が向いた。