デュランの力が弱まるのを待とうと思ったが、やはり難しいようだ。


「......純血統の俺達、か......。テメェはアレンを憎んでいた筈だ」

「......」

「俺の策の上で踊らされていたとも知らずになぁ」

「俺を動揺させようとしても無駄だ。等の昔に、過去は乗り越えた」

「ミーナか?」

「......」


ミーナの名に、一瞬だけ眉を寄せたのを見逃してはいない。

《やっぱりな......》

自然と口元には笑みが浮かぶ。

おそらく、否、確実に人間であるミーナは生きてはいないだろう。

時間の経過は分からないが、数百年は経っている筈だ。


「あの女が死んだってのに、いつまでも邪魔な野郎だな、デュラン!」


憎い。

いつまでも魂を縛られ、閉ざされた死の空間に閉じ込められている事が。それをしている目の前の男が。アレンの一族が......。