恋や愛なんて

自分には縁がない

そう思って生きてきた

14歳のこの頃

でも


それが変わってしまった。

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(蘭!ちょ、見て!)

(俺と兄ちゃん、そっくりじゃね!?)


(そーだね笑そっくりすぎる笑)


(だろ〜?)

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そんなくだらない会話が

夜になっても忘れられなくて

なんと

1週間経っても忘れられない。



話終わったあとの


あの眼が

苦しそうに上を向くあなたは

なにを見て なにを想っていたの?


何故か涙が出そうになって

慌てて同じく上を向くと

この時期には珍しい

白鳥が飛んでいた。



ねぇ

朔夜はなにを見てるの?
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(恋か…)



これは(もなか)に相談しなければ



(緋彗 もなか)

容姿端麗、成績優秀

傍から見たら。(完璧すぎる美少女)

告白されることもあるらしいが

本人いわく

私には彼氏なんていらない!
蘭がいるもん!



だそうだ。

完璧なはずなのに

びっくりするほどの



"運動音痴"



体育祭では毎年転けて

その度に私が保健室へと連れて行く

いわば

保健室の常連なのだ。



だがほかはなんでも出来るので

お情け合格をいつも貰っていた。



それに比べ、

私(齋藤 蘭)は

普通な容姿 成績やばい

運動普通という

なんとも微妙な位置にいる。




だがいつも もなかは

(蘭は優しいし勇気のある子。大丈夫)

と安心させてくれた。

もなかに相談すると






(うーん かんっぺきな恋だね笑)キリッ&ドヤァ





なーんておっきい声でいうもんだから

慌てて口を塞いだ。

無性に視線を感じたが

気にしないことにする!






あいつに聞かれてるとも知らずに

もなかはお腹を抱えて笑い

蘭は頬を真っ赤に染めていた。


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(好きなんだなぁ)


なんて今までの感情とは違う

ドキドキして心臓が痛いという

恋の病に侵されていた。


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その後の授業は耳を通り抜け

昼過ぎの白い月が

不思議と応援してくれてるように思えた。