転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー

翌日から早速抗がん剤治療がはじまった。

その苦しみは昨日まで想像していたものと全然違った。

ベッドから起き上がることなどできず、胃の中が空っぽで胃液しか出なくても吐き気が収まることはなかった。

「治療をはじめたばかりは苦しいかもしれませんが、それは治療が順調に進んでいるという証でもあります。
でも辛かったら言ってくださいね。薬の量を多少は変えることもできるので。」

私はわかりました。と声を出す元気もなかったので、小さく頷き返事をした。

橋本先生は最後に私の手を軽く握り、病室を後にした。