翌日、アイリーンはティーナ伯爵夫人の指導の下、編み貯めたレースを自前のドレスに飾り付けをしていた。

「だいぶ、完成に近づいてきましたね。」

スカート部分にパニエを入れてはいるが、それだけではなく何層にもレースを重ねてあり、元の状態とは比べられないくらいスカート部分はとても豪華に変わっていた。

「うまくできるか、心配だったから、ティーナ伯爵夫人が側にいてくれてとても助かりました。」


「ありがとうございます、アイリーン様。
私、アイリーン様がこちらで生活をするようになってからもこうしてアイリーン様といることができて、とても嬉しかったです。

今日で、私とのレッスンはすべて終了です。
明日からは王妃様がアイリーン様に、教えてくれることになります。」

アイリーンはドレスにレースをつける手をとめて、ティーナ伯爵夫人の方を見た。

「刺繍も教えてくれるはずでは…?」

「王妃様が教えてくださるようです。
私よりも王妃様の方が刺繍はうまいですから。

なので、私のレッスンは今日で終了です。」

「でも、またこの王宮には着てくれるよね?
だってティーナ伯爵には王宮に休憩室があるから婦人も…」

「はい、私はこれからは陰ながらアイリーン様のことを見守っております。

さぁ、もうすぐ日も暮れてしまいますので、早くしあげましょう。」