転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー

先ほどの病院の先生が事前に連絡していてくれたらしく、待ち時間無しで診察してもらうことができた。

レントゲン写真を撮り、再び診察室へ戻ってきた私に告げられた言葉は骨肉腫という病気にかかっているということだった。

「骨肉腫は痛みと骨の変化が主な診断基準です。
痛みだけでは確実に診断をつけることは難しいですが、既に骨が腫瘍によって変化しているところが確認されるので、間違いではないと思われます。」

骨肉腫と診断された私はそのまま入院することになり、看護士に連れられ病室へと案内された。

母親はそのまま診察室で今後の治療についての説明を受けるらしく、一緒に行くことはできなかった。

私が病室について30分後位に母親と先ほどの医師がやってきた。

「桜木さんの担当医になります、外科医の橋本です。
よろしくお願いします。」

橋本先生は私に挨拶をした後、今後の治療プランを説明し始めた。

「まずは桜木さんの右足の腫瘍がどのようなものなのかを確定させるために腫瘍の一部を切り取り病理検査にかけます。
その後、やはり骨肉腫であると確定した場合は、抗がん剤治療で腫瘍をできる限り小さくし、手術で取り除きます。

その手術の際、足の切断になる可能性があります。ほとんどの場合は残したまま患部の骨のみを取り出す手術ですが、肉腫が広範囲にまで及んでいる場合は切断となります。

術後、再度抗がん剤治療をし、経過観察となります。
3年経っても転移が見られない場合は完治したと言って問題ないです。

長い闘病生活になってしまいますが、
桜木さん、一緒に病気を治していきましょうね。」