「ねぇ、知っています?
皇太子妃のアイリーン様ってヴァルテリ様のことを体を使って落としたんですって。」

「あら、私はヴァルテリ様を脅して豪華な部屋やドレスを用意してもらったって聞いたことがあるわ。」

「私は、アイリーン様はヴァルテリ様からもらったドレスを破き捨てたって聞いたわ。」

「アイリーン様に聞こえちゃうかしらね。」

「聞こえたっていいんじゃないかしら。

だってどうせ本当のことなのだから。」

「そうね。

ヴァルテリ様の妻になんかふさわしくないものね。

あいつが悪いのだから。
私たちのヴァルテリ様をとったアイリーンが。」

「そうよ、ちょっと成功したくらいで皇太子妃になれるなんて。

私たちにだってもう少しお金があれば何でもできたわ。

あいつは自分の父親に助けてもらって、自分では何もしていないのだから。」

3人の令嬢はアイリーンが同じ会場にいるにもかかわらず、わざとアイリーンの悪口を言い続けていたのだった。