「お疲れ様です、アイリーン様。

ヴァルテリ様もどうぞお座りください。」

アイリーンとともに部屋へ入ってきたヴァルテリを見ると、リンネはすぐに椅子とティーカップを追加で用意した。

「ヴァルテリ様は甘いものは召し上がりますか?」

「好き嫌いはないから大丈夫だ。」

テーブルには上にアイシングのかかったクッキー、ドライフルーツ入りのクッキー、甘みの無いプレーンクッキー、バターたっぷりのクッキーなど数種類置かれていた。

ふたりは無糖のアールグレイティーを飲みながら先ほどまでの試験について話していた。

「アイリーン、手ごたえは?」

「大丈夫だと信じたいです。

歴史と言語でどれだけ点数をとれているかが問題なんですけど…

それ以外が苦手なので…」

「きっとアイリーンなら大丈夫だ。
ほら、クッキー食べて元気出して!

午後はいよいよウェディングドレスを仕上げるんだろう?」

「ありがとうございます。

ヴァルテリ様、楽しみにしていてくださいね!
いっぱいレースを編んだので、きっといい出来になると思います!」

テストの結果は心配だったけれど、今はヴァルテリが自分の近くにいる。

そう思うだけでアイリーンはなんだか気持ちが落ち着くのだった。