議会が終了し、ニコラスとともに屋敷へ帰ろうとしていた折、国王の侍従に呼ばれ、二人は国王の執務室へと案内された。

「失礼いたします。」

侍従が執務室のドアを開け、アイリーンとニコラスは入室した。
席へ促され座ると、国王であるルーメンティー・アルヴァドスも二人の向かい側に腰を下ろした。

「アイリーン、こたびの計画はよかったぞ。
二人を呼んだ理由はただ一つ。
この計画をキャンベル大公家が指揮を執ってほしい。

もともとアイリーンの発案したものだし、大公家が指揮をとれば問題も起こるまい。」

アイリーンは驚き、ニコラスのほうに顔を向けたが、ニコラスはアイリーン側に顔を向けることなく、「かしこまりました。」とルーメンティー国王に告げた。

「ニコラス、アイリーン、これからもよろしく頼むぞ。」

それから少し他愛もない話を三人でした後、ニコラスとアイリーンは国王の執務室を出た。