それからのことは覚えていません。

気がついたら今までとは比べ物にならないくらい豪華な部屋のベッドで寝ていました。

そして今まで一人もいなかった使用人が何人も付き、私の身の回りの世話をしてくれるようになりました。

それからは今まで誰も教えてくれなかった母親のことを教えてくれるようになり、母親が亡国ヒューストン王国出身で、私と同じ、ブロンドの髪に青い瞳をしていると知りました。

そしてヒューストン王国の王族は少なからず予知能力を持っており、私の母親はその中でもかなり強く、母国が滅びること、キール帝国に人質同然に連れてこられ、娘を生むこと、その日に皇帝によって殺されることを知っていたらしいです。

母親と同じくらいの力を受け継いだ私はその後も重宝されていたのですが、私がここに残るといった瞬間、勘当されました。

このことはもちろん知っていたので、覚悟をしていたのですが、ちょっと悲しかったです。

長々話してすみません。

こんな話、つまらないですよね、サクラ様」

自分の過去をすべて話し終えたシャルティアーナは立ち上がり、サクラの部屋の前から離れようとした。

少し歩いたところで、サクラが部屋から飛び出してきて、シャルティアーナのことを呼び止めた。

「シャンティ様、待って!

私、アンドレアのこと諦めるわ。
だってシャンティ様がかわいそうなんだもん。

私、これからお母さまに謝ってきます。
許してもらえるまで何度でも謝ります。

シャンティ様、アンドレアと末永くお幸せに暮らしてください。

でも、アンドレアが嫌になったら、いつでも私のところに逃げてきてもいいから。

私は、何があってもシャンティ様の味方だから!」

その言葉を聞いて、シャルティアーナはうれしくなり、青い瞳からは涙が零れ落ちた。

シャルティアーナの元へサクラが抱き着いていて、サクラのドレスにはシャルティアーナの涙が、シャルティアーナのドレスにはサクラの涙が零れ落ちていった。