アイリーンが女王となってから数か月後、長い間キール帝国と進められていた話し合いが収着し、キール帝国とは和平を結ぶことができた。

最愛の人を失う要因になったキール帝国のことを簡単には許すことができなかったアイリーンだったが、このままではいけないと歩みだし、ついに纏まったのだ。

キール帝国は和平の懸け橋となるようにと第一皇女のシャルティアーナ皇女をオベリア王国に留学させたいと申し出てきた。

アイリーンはその申し出を断ることなく、二つ返事で了承し、数日後にはシャルティアーナ皇女が王宮に到着する手はずになっていた。


キール帝国はオベリア王国と違い、女性が皇位を継ぐことはできないが、シャルティアーナ皇女には予知能力があったため、他の皇女と比べ大切に育てられてきた。

そんな皇女を送り出したのは英断であり、キール帝国側も本当に和平を望んでいると思われた。