アイリーンの妊娠が分かったこともあり、今回の戴冠式は少し規模を縮小することとなった。

もともと希望すれば誰でも戴冠式を見ることができたが、アイリーンの体調を考慮し、近親者以外は議員の中から代表を決め、出席するという形になった。

そのため、式場を謁見の間へと変更し、万が一にも多くの人が入れないようにという配慮がとられた。

当日着用するドレスも装飾のたくさんついた重いドレスではなく、裾にレースがついているハイウエスト、胸元で切り返しがついているドレスに変更となった。

アイリーン曰く、前もサクラとハイメを妊娠している時に式典に参加したのだから、ここまでしなくてもという感じだったが、周囲から反対を受け、妥協案としてこのような形になった。

戴冠式の内容もより単純にし、王冠授与と新女王の挨拶のみとなった。

ただ、バルコニーでの挨拶だけはどうしても譲りたくないというアイリーンの意見があったので、それは実施することとなった。