転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー

「我が国の第一皇子、ベルガート様と一騎打ちになり、両者互いの剣が致命傷となり、亡くなりました。

遺体は現在キール帝国にて保管されています。

そのほかの騎士に関しましてはその場に残されたままかと思われます。」

その言葉を聞いたアイリーンはただ涙を流すだけだった。

「国王陛下に会わせていただきたい。
陛下のご遺体をこちらに引き渡していただきたい。」

「私は捕らわれの身。
私が進言することは出来かねますが、こちらが完全に敗北したので、申し出を聞き入れるかと思います。」

後で押さえつけている騎士たちはこの男が先ほどとは違う男のように見えていた。

威圧的な様子はなく、ただただすべてを話しているようにと。

「わかりました。
こちらから申請を出します。

話を聞きたいときはこちらから呼び出します。
それまではほかの兵士同様地下牢に居てもらいます。

この男を連行しなさい。」

アイリーンは機械的にそう告げると謁見の間に騎士たちを残し、去っていった。