「ニーナ、今日は特に議会もないから部屋でゆっくり休んでていいよ。

疲れてるだろう?」

朝食を終え、そのまま政務室に入ろうとしたところ、ヴァルテリに止められ、仕方なくアイリーンは自分の部屋へ戻ることにした。

「そうですね、誰かさんが寝かせてくれなかったので、ゆっくり寝ようと思います。」

「今は、ゆっくり眠るといい。
そうしないと、体力が持たないからな。」

本当は少し抵抗したかったのだが、ご飯を食べ、満腹になったことが重なり、アイリーンはかなり眠い状況だった。

ヴァルテリにエスコートされ、自室に戻るとリンネが部屋の清掃をしている最中だった。

「アイリーン様、どうか致しましたか?」

「ちょっと疲れているらしいんだ、ゆっくり寝させてあげたくて。」

「かしこまりました。
アイリーン様、それでは服を着替えましょうか。

ヴァルテリ様、ここからは私がアイリーン様のお世話をするので、政務に戻ってください。

さぁ、早く行ってください。
アイリーン様がお召し替えをするので。」

リンネは半ば追い出すような感じでヴァルテリを部屋から退出させると、手早くないとドレスに着替えさせた。

「ゆっくりお休みください、アイリーン様。
続扉と廊下に面している扉の鍵は内側から施錠したので、邪魔者が来ることもないと思うので。

もし、御用がありましたらこちら側の扉から呼んでください。」

結局朝までアイリーンのことを離さなかったヴァルテリに対してリンネは少なからず怒っているようで、自分の前を通過しなければ絶対にアイリーンの元へ行けないようにするとリンネは一礼し、去っていった。