転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー

王都の一般街を整備すると決まってから半月後、今日は議会で予算案が可決されるかどうかが決まる大切な日であった。

この日の為にティーナ伯爵は現地に赴き、現状を確認していた。

確認をしたうえで組まれた予算をアイリーンとヴァルテリは見たが、それは一切非の打ち所がないような完璧なものだった。

きっと承認されるだろう、そう思うアイリーンとヴァルテリの考え通り、予算案は満場一致で可決された。

施工開始は一月後、一年のうちもっとも雨が降る確率が低い時期にやることとなった。

今回の主な施工内容は土を平均的に足したのちに、貴族街同様に地面にレンガを敷き詰め、土砂の流出を防ぐということと、排水施設を整えるために一部意図的に傾斜をつけ、水の流れを良くし、川につながる用水路を作成するというものだった。

工事の予定期間はわずか半月とかなり短いので、うまくいくかの鍵は事前に設計図を作成できるか、どれだけの人数を動員できるかにかかっていた。