転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー

新体制になって初めての議会は大きな問題が起こることもなく、無事に終了した。

議会場から全員が退席したのを確認し、アイリーンとヴァルテリも議会場を後にし、政務室へ向かった。

「思ったよりも、スムーズに進んだな。」

「そうね、もっと大変だと思っていたけれど、クリスト辺境伯のおかげね。

辺境伯があそこで発言してくれなかったら、もっと大変なことになっていたと思うし、感謝しかないわ。」

「俺も、クリスト辺境伯がいなかったらこれは可決されなかったと思う。

とりあえず、今日の議会で分かったことは、新体制になって心配だった貴族の専売特許のような議会はなくなったということだな。」

もし、クリスト辺境伯が発言をしてくれなければもっと反対する議員がいただろうというのはアイリーンとヴァルテリの一致した考えだった。

今後、どのような議題が出されるのかはまだわからないが、議会に対して少しだけ安心できると今日の様子を見てアイリーンとヴァルテリは思うことができた。