翌日以降も午前中はアイリーンとヴァルテリが先生になってサクラとハイメ、乳母の子であるアリサに読み書きなどを教え、午後はおままごとのお茶会やお菓子作りなど普段では決してできないようなことをして2ヵ月を過ごした。

そして月日が経つのは早く、今日は王宮へと帰る日だった。

「忘れ物はない?」

アイリーンの問いかけにサクラとハイメは強く頷いた。

「よし、戻ろう!
馬車に乗って、王宮へ帰ろう。」

ヴァルテリの声掛けによってアイリーンたちは馬車に乗り、来た時と同じように馬車の周囲を護衛騎士が囲み、王宮へと戻っていった。

行きとは違い、サクラとハイメはぐっすり眠っていたので、帰りの馬車はかなり静かだった。

たまにアイリーンとヴァルテリで会話をするが、子どもたちを起こさないように話していたので、かなり小さな声だった。

「サクラ、ハイメ起きて。

王宮についたわよ。」

王宮についても寝たままで起きなかったサクラとハイメをアイリーンが起こし、寝ぼけ眼のサクラをアイリーンが、ハイメをヴァルテリが抱きかかえながら王宮の中へ入っていった。

そして子どもたちをそのまま部屋の中へ連れていき、ベッドに横たわらせると、アイリーンとヴァルテリは政務室に集合した。