翌日からアイリーンとヴァルテリは国王と王妃としての義務を果たし続けた。

最初は貴族からの反発も多いだろうと覚悟していたことも反発はそれほどなかった。

そしてヴァルテリが国王となったときに宣言していた国民でも議会に参加できるようにするための準備を進めていた。

「まずは現在の議会を解散させる必要があるな…」

ヴァルテリが呟いた一言にアイリーンがすぐさま相槌を打った。

「そうですね。
でもまだ急がなくてもいいかもしれませんね。

今年度も半年残っていることだし、ゆっくり考えていきましょう。」

ヴァルテリは急いだほうがいいのではないかと考えていたが、アイリーンはそうではなかった。

アイリーンの落ち着いた雰囲気にヴァルテリも少しだけ落ち着きを取り戻したようだった。

「そうか、そうだよな。
急いでもうまくは行かないか。」

「そうですよ。
ヴィックだってまだ国王になったばかりなのですから、ふたりでゆっくりとこの国をいい方向に導いていきましょう。」

「ニーナがそばにいてくれるとすごく安心して政務ができるよ。

ありがとうな、ニーナ。」

ヴァルテリはアイリーンに感謝を述べ、今後の登用試験に関しての詳細を決めだした。