「サクラ・アルヴァドス前へ。」

ヴァルテリがサクラの名前を言うと、サクラは最前列の席を立ちあがり、アイリーンとヴァルテリの前にやってきた。

「サクラ・アルヴァドス本日付で王太子に任命する。

サクラはまだ子どもだが、ゆくゆくはこの国を治める初代女王になることだろう。」

サクラはアイリーンとヴァルテリにカーテーシーのポーズをとったあと、反対側を向き、出席者に向けてカーテーシーのポーズをとった。

幼いサクラがするべきことはこれだけだったが、サクラはその動作をとても丁寧に行なった。

サクラが元の席へ戻り、ヴァルテリが全体に終了の言葉を告げ、式典は終了した。

すぐにアイリーンとヴァルテリ、サクラとハイメは会場を出た。

そして王宮の庭に面しているバルコニーのある部屋に移動した。