「はぁ……」

ジャージに着替えながらため息がこぼれる。

演劇部…ダンスチーム所属、なぜダンスチームに入ったのか未だに分からない。

人前は苦手だし裏方の方が良かったな、と毎日のように思う。

方を回しながら部室の扉を開けようとすると音が聞こえた。

これは、ステップか?それとメスの匂い…オオカミの匂いだ。

音を立てないようにそっと扉を開ける。

そこで踊っていたのはーーーーー








1匹のホッキョクオオカミの獣人だった。

雲の上で踊っているような軽やかなステップ、スポットライトに照らされてシルクのように光る白い毛皮。

自分の言葉では表せないような美しさだった。