「……そっか。なら行ってくる」 「うん。俺も有と行くし」 「私が浴衣着てるとこ見たい?」 「うん。さいっこーに見たい」 じゃあ見せない、と意地悪く笑った六花が帰り際すれ違う時にわざとらしく肩をぶつけてきた。 「ばか」 何に向けて言った言葉なんだろう。 心当たりが多すぎて、俺はただただ己の行動を振り返って反省するしかなかった。