青空の下で音楽を奏でる

「それからさ、バンドとして活動してる時は、皆敬語やめない?
学校内じゃあ、ちょっと怒られちゃうからダメだけど、

バンドに立場も何も、ないと思うんだよね。

仲間なんだから。」

先輩はいつもの笑顔で言った。

その目はいつもより少し、輝いて見えた。

「それはダメです!あくまで先輩なので!」

花野さんがとっさに手を振るので、

「あんた、私たちにも敬語じゃん。」

と突き放す感じで言ってやった。

「あ……ごめんなさい。」

そういう感じで言われるとこっちがイラつく。



困ったよ、助けて、ごめんね、私が悪いの、


みたいな顔。

色んな事を語ってくるその顔。

謝れるとこっちが悪いみたいな感じがしてきて、

何ともいたたまれない。


私はそれから何も返事をしなかったので、

気まずい空気が流れた。


慌てて先輩が、

「まぁまぁ、ゆっくりでいいから、馴染んでよ!」

と困った笑顔で言う。


そういえば、この人はいつも

周りに気ばっかり遣っていつでもにこにこして、

いつでもどこか困り顔だ。

なんて言うか、
花野さんが男になったらこんな感じなのかな、

って感じ。


先輩はたぶん私のことが嫌いだ。

花野さんもきっと私のことが苦手だ。


図々しくて、先輩にも遠慮なく物を言うし、

自分の意見が通らないと子供みたいに拗ねるし、

すぐふてくされるし、

自分が自分で嫌になってくる。


でもきっとそうだ。

みんな私のことを嫌っているんだろう。

そう思うと、

私はいつだって

………友達なんて馬鹿らしい。


と思ってしまう。


上辺だけの笑顔で、

友情で

繋がっていたいなんて思わない。


きっと、私はこのバンドメンバーとも仲良くなれないんだろう。



そんな気がしていた。



「じゃ、解散でーす!」

先輩が言った。

「なんかこの感じいいね!部活してるって感じで。ついこの前まで一人悲しくギター弾いてたからさ、」

「そうですね。お疲れ様でした!」

みんな荷物を持って外に出て行く。


…あぁ、私も帰らないと。


慌ててカバンを取って外に出た。