ため息をまた大きくつきながら

おそらく外にいるであろう奴の姿を探した。





「あ、いた」


水溜りに足ペチャペチャして遊んでる、
は?子供かよ
今時子供だって家でスマホゲームやってるぞ
時代遅れにも程あんだろ




「えっ、何」


いや、そんな不審者を見るような目で俺を見んな
それはむしろ俺の気持ちだわ
俺なんだわお前じゃない


「いや、寒いから。中入れよ」


それだけ言ってまた踵を返してコンビニへ入る





え、まって俺なんかキザぶってね?
あり得ない寒いキモいダサい




「…あ、広瀬くん…」

すぐ後ろを走ってついてきたと思えば

俺の制服の後ろをちょこんと引っ張って




あーそういうの
モテ仕草だっけ、


いやいくらそこそこモテる渋谷だからって
そんなモテ仕草俺には通用しな、


「ありがとう…」















ドキッ













はぁあああああ待て待て


胸がドキッつったな?今俺言ったよな?










だって
渋谷美里があんな潤んだ瞳で上目遣いして
"ありがとう"
とか

照れながら…言うから…

俺のせいじゃねぇ
これは不可抗力だ…