好きという名の幸せをあなたに。


だから……。


「じゃあ咲〜またね〜」


いつの間にか教室に着いたみたいだ。


「うん!」


私は3人と別れて自分の教室に入る。


私は階段からいちばん近い教室の4組。


で、つぼみは3組、美穂と由乃が1組にいる。


ちなみに2組には文野くんがいる。


「……伏見さん、おつかれ」


「あ、お疲れ様」


自分の席に座ると隣の席の平山くんから声をかけられた。


平山くん…平山 玲央(ヒラヤマ レオ)くんは私たちと同じ長距離の仲間で文野くんの親友。
 

平山くんも文野くんに負けず劣らずかっこよくて足も速く、学校の人気者だ。


優しい人で同じクラスになった私にもよく話しかけてくれる。


「そういえば今日は図書室行くの?」


「うん!借りた本読み終わったから昼休みに図書室行くつもりだよ」


「そっか」


これは最近の私と平山くんの定番の会話。


私が図書室に行く日はたまに平山くんと文野くんも来てくれる。


それが現在の私の一番の楽しみだった。


「おはよう!ほら席について〜朝礼始めるよ〜」


ガラガラと前の扉から担任の染井先生が入ってくる。


学級委員長の号令により朝礼が始まる。


そこから朝礼、授業、給食、といつも通り時間は進み、昼休みのになった。


私は借りてた3冊の本を腕に抱え込み図書室に行く。


返却の手続きをしてもらい本棚に戻す。


そのまま本棚の前で次に借りる本を探す。