「そうなんだ!あ、今日の午後の部活なんだけど病院行くから休むね」
「病院?あ、右手か!」
「病院行くって結局よくならなかったの?」
由乃と話していると前を歩いていた美穂とつぼみも話に加わる。
「うん、まぁ……ほら!私前に自転車で転けたでしょ?その時に手のひら擦りむいて神経傷つけた可能性があるらしいから病院で詳しく診てもらってくることにしたの」
「あぁ、そういえば練習の帰りに派手に転けてたもんね。じゃあ咲は今日は休みかぁ」
私たち4人はそのままの流れで教室まで話しながら歩く
最初は2人ずつで並んで歩いていた私たちも階段を登る頃にはすっかり3人と1人のいつもの配列になっていた。
ちなみに1人で3人の後ろを歩いてるのが私。
言うならば美穂たち3人はスクールカーストの上位にいる一軍女子。
対して私は休み時間でも1人で読書をしている地味なやつ。
部活が違ったらこうして話すことなどなかっただろう。
だから自然とこうなってしまうのはある意味当然のことなのかもしれない。
前では相変わらず3人が楽しそうに喋っている。
そんな3人の後ろ姿を見ながら必死について行く私。
別にこの光景が珍しい訳では無い。
それでもやっぱり疎外感というものはあって……
3年生になって、いや、私がマネージャーになってからそれはいっそう大きく感じるようになった。
……わかってる。
私は苦しいところからひとりで逃げてしまったから。