「失礼します。3年4組、伏見 咲です。村上先生に用があってきました。」


マニュアル通りの挨拶をして先生の元へノートを持って向かう。


「村上先生、今日のノートです。」


「ありがとな。今日の練習の様子はどうだった?」


「今日はどのチームも設定より少し早かったですが誰も落ちずに完走してました。男子は3年生全員と1、2年生が何人か、それと女子は全員プラスで練習してました。詳しくはノートに書いてあります。」


「わかった。今日もありがとな。」


「いえ、左手で書いたので見にくいところがあると思いますが…」


「そうか。右手は大丈夫なのか?」


「……この前整体に行って少しよくなったと思ったんですけどまた酷くなってきました。それで今日は午後の部活は休んで病院に行ってきます。」


「わかった。今日の部活は休みな。明後日は駅伝だし、咲は選手ではないが無理はするなよ。」


「はい、失礼しました。」


私は最後に一礼して職員室を出た。


そのまま玄関ホールの近くにある階段に向かって歩く。


「あ、咲!」


するとちょうど制服に着替えた長距離3年女子のつぼみ、美穂、由乃の3人と会った。

ここに私が加わって4人が長距離のメンバー。


「おつかれ、みんな。今日は1、2年と一緒じゃないの?」


「うん、今日はうちらで鍵閉めしたから1、2年には先に教室戻ってもらったんだ〜」