好きという名の幸せをあなたに。


思わず隣にいたお母さんを見るとお母さんもなんだか顔が強ばっていた。
 

そのままイスに座ると目の前にいた先生が言いにくそうに口を開いた。


「…検査の結果、咲さんは脳腫瘍です」


「…え、?」


衝撃の言葉に事態が上手く飲み込めない。


それでも話は進んでいく。


「この白い影が分かりますか?」


先生はそう言って私にパソコンの脳の画像を見せる。


その脳の画像の真ん中あたりには確かに白いモノが写っていた。


「……はい。」


「それが悪さをして、咲さんはこれまで頭が痛くなったり、右手が上手く使えなくなったりしていたんだと思います。」


「・・・・・・」


「まだ悪性か良性かは分かりません。紹介状を書いておきますので明日大きな病院でもう一度詳しく検査をしてください。」


その言葉を聞いた瞬間ツーッと音も無く涙が流れる。


「え、明日は……」


「咲、明日は休みましょう。明日よりも県駅伝応援しなきゃ!」


「…..わかった。」


「明日なにかあるんですか?」


「はい。明日は地区駅伝があるんです。娘は陸上部でして、今までこの駅伝ではないんですが、11月にある県駅伝で優勝することを目標にがんばって来ましたので…」


泣いて放心状態の私に代わってお母さんが説明してくれる。


「……そうですか。ですがもうここまで腫瘍の方も大きくなっております。正直、今まで倒れなかったのが奇跡としかいいようがない。」