あぁ、今日も部活をサボってしまった。
なんて自己嫌悪に苛まれながらも私は公園のベンチに座る。
中学3年生になった私、伏見 咲は最近悩みがあった。
部活にでられなくなったのだ。
私は陸上部の長距離に所属している。
別に部活仲間にいじめられている訳でもないし。
練習はキツいから最後までできないときもあるけど、辞めたいと思うほど苦痛という訳でもない。
むしろ仲間たちと一緒に練習頑張ったりワイワイ騒ぐのは楽しい。
だけど今まで出来ていた練習ができなくなり、部活に行くことがしんどくなった。
もちろん練習についていけないことは初めてではない。
でもそれは貧血だとか足を怪我してるからとか理由があった。
だけど今回は練習ができなくなった理由がわからない。
そしていけないとはわかっていながらも部活をサボり、こうしてこの公園で部活が終わるまで時間をつぶしてしまっている。
この公園にはブランコと桜の木が一本しかなく人がめったに来ない。
だからか私にとっては1人になれるとても落ち着く場所で、ふとした時ついここに来てしまう。
落ち着くのもあるけど、もう一つここに来てしまう理由がある。
――ザァッ
風が強く吹き地面に落ちてしまった桜の花びらが風に舞う。
思い出すのは1年前の春休み。
まだ走ることが、部活が楽しくて――そしてあなたへの恋心を自覚してしまったあの日。