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「だって依茉が強がりで言ったことを神崎くんはぜんぶやってるんだからさー。それって間違いなく依茉の気を引きたいからやってるんでしょ〜」


「ど、どうだろう……。だってもうその話ずっと前のことだし。悝世もさすがに忘れてるだろうし…」



勝手に自惚れて期待して、
じつは悝世はわたしに対して何も想ってなかったなんて言われたらぜったい立ち直れない。



「んじゃ、なんで仕事辞めたい〜とか言ってる神崎くんが今もまだモデル続けてんのよ」


「そ、それは……契約ともあるだろうし、辞めるに辞めれない状況だから……とか」



「まあ、そのへんの事情もあるかもだけどさー。でも間違いなく、依茉が言ったことを気にして続けてるんだよ〜」



まさかとは思うけど。
もしそうだとしたら、悝世って変なところ律儀じゃん……。


約束したわけでもないのに。