「今、なんて・・・」

「別れてくれ」

どうして?
どうして、別れようなんて・・・

「俺も、数日の間にここを出る。
お前も身支度して、ここを出て行け」

「何でよっ」

「何で?そんなの、お前が1番、分かっているんじゃないのか?」

あたしが分かっている・・・?

「俺は、そこまでできた人間じゃねぇからな。
いつまでも、我慢できるわけじゃねぇ」

「・・・っ
分かった。あたしも出ていく。
さようならっ」

翔哉があたしにくれた左薬指にはめているリングも
翔哉に投げ捨てて、向かった先は

「なんで俺の所なんだ。愛実」

「伊蕗にぃなら、パパたちの居場所を知っているんでしょう?」

「は?親父たちの居場所?」

「うん」

「知っているが、それを知ってどうするつもりだ
まさか、親父たちの所に行くわけではないだろうな」

「行こうと思ってる」

「なっ」