でも、会えるのは理科の授業の時だけ。
会話も減ってきた。

それでも私は
先生の廊下を歩く足音
すれ違うたびに香る服の匂い
窓からひょこっと出す顔
ちょっかいかけた後の笑顔
同級生の男の子みたいにはしゃぐ姿
に恋をしていた。

その1年間は嬉しいことも辛いこともあり、
何度も諦めようと思った。
けれど何をしていても、誰とどこにいても
考えるのはいつも先生のことばっかで
諦められなかった。

先生の中途半端な優しさが
私を苦しめた。