「ア、アハハ······」
私は苦笑いをしながら本棚から姿を現す。
「あれ?君もしかして···高橋愛深ちゃん?」
···え?
私の名前を知られていて驚き、目がぱちくりと見開いたまま固まってしまった。
どうしてこの人、私の名前知ってるの?
···ハッ!もしかして私の悪い噂とか流れてるのかな?
だとしたら嫌だな···
自分が噂されてるのかもしれない、と不安になってると今度は小さく笑った声がした。
「ふふ、高橋さんって面白いね。1人で百面相してるよ?」
と言いながら1人でクスクス笑ってる。
···!?なんでこの人、笑ってんの!?
「それより···」
笑ってる顔も綺麗だな……なんて事を考えながらボーッとしてると王子こと篠原君が不敵な笑みを浮かべてこちらに歩み寄ってくる。



