「っ、それくらい自分でやれ」
え───
言葉はぶっきらぼうなのに、表情はなぜか慌てた様子だった。
あれ、私なんか変な事言った?
それに自分のやれって……自分じゃ分からないから運動が得意だって情報通の小町に聞いてもしかしたら教えてくれるかもって思ったから聞いたのに。
教えてくれないならしょうがないか。
小町に練習に付き合ってもらおう。
私は篠原くんに背を向けて小町の所に戻った。
「あ、愛深戻ってきた。王子と何話してたの?」
「綱引きのやり方教えて欲しいってお願いしただけなのに自分でやれって言われた」



