「愛深」 篠原くんに呼ばれて振り向くと真剣な顔をした篠原くんがいた。 「愛深。俺が合宿で言った事、覚えてるか?」 え? 「覚えてるよ。篠原くんが "好き" って言ってくれたこと」 忘れるわけない。あんなに悲しい顔をした篠原くんの事──なんであんな顔したのか、篠原くんに聞かなきゃ行けないから。 「その返事を聞きたいんだけど」 え!? 驚いて動けなくなってしまった。 だって自分の気持ちちゃんとわかってないし、考えてもなかった。