ぱくっ。 イチゴのトーストを口いっぱいに頬張るとイチゴの甘酸っぱい味が広がった。 このイチゴジャム、実はお母さんのお手製のジャムなんだ。 イチゴはスーパーで買ってくるらしいけど、味付けはお母さんの特製。 私は子供の頃からこのイチゴのトーストが大好き。 はぁ…このイチゴトースト、なんだか安心する。 「愛深、もうこんな時間よ。家出なくて大丈夫なの?」 「んえ?」 イチゴトーストの入った口をもごもごさせながら時計に目をやると9時30分を指していた。