「……どうしてここに?」 「…………お前、様子が変だから」 「…そんな事な──」 そんな事ない、と言おうとしたら無理やり後ろを向かされた。 「ほら、やっぱり。お前泣いてんじゃん」 「…っ、泣いてない」 「誤魔化してもダーメ」 篠原くんは少し笑ったような声で私の両頬を優しく包み込んだ。 ──ドンッ え? 私と篠原くんは同時に音がした方を見た。 ドンドンッ…… 薄暗くなった夕空に大きな花火が大輪に咲いていた。