翔輝の手が
わたしの頬に触れる。
熱が伝わってくるみたいで
心が熱くなる。
くちびるが触れたところが
熱をもって
痺れたように 熱くなる。
どこのだれかなんて
関係なくて
今は
翔輝しかいらない。
このひとが求めてくれるように
このひとしかいらない。
このひとがいればいい
シャツを脱いだその胸に
タトゥがあっても
翔輝の素肌に触れた
わたしの手が気付く たくさんの傷痕さえも
愛しくて
私を大事そうに扱う優しい手
触っていないところなんてないくらい
私を知ろうとする
ゴツゴツした大きな手に
乞うように
キスを求めてくる唇に
思わず閉じた視界に
聞こえる幸せそうな自分の吐息に
私と同じ幸福感を
映し出している瞳に
裸の私はどこの誰でもなくて
ただの私で
何で?
胸をさらうのは
泣きたくなるくらいの幸福感
「翔輝…すき
好き」
「っっ、好き」
そう
何度言葉にしても足りないくらい
気持ちが溢れるの。



