っていうより
オンナがぶら下がっているって
言った方がいいくらい
女の子にいちゃつかれている。
細くて、スタイル良くて
若くて
見たことないかわいい女の子。
それを好きにさせている翔輝。
そういえば前クラブ行った時も
そうだったもんね。
通常そんな感じなんじゃ…
ちょっと周りのざわついている声。
『ブラックアイズドラゴンの翔輝だ』
って。
でも、優香の耳にはそんなの入らなくて
心は停止しているのに
機械みたいに身体は三島と歩いてる。
段々翔輝と近づく距離。
あ。
視線をあげた翔輝と目が…
…
初めて見る翔輝の冷たい目。
その視線は私をとらえることは無く
少し眠たげに伏せたその目は
わたしを空気のように素通りした。
つまづきそうになって、
それでも
機械的に歩きだす優香の足
背中の翔輝の気配がどんどん
遠くなっていく。
まるで、
まるで
このまま心臓が潰れるかと思った。
ほんとうに、ほんとうに
もう、
サヨナラしたんだと
翔輝の目は告げていた。