バカみたいで、情けなくって
恥ずかしくって
見られたくない。
そんなレミのかお。
なのに
レミはこんなに必死なのに
那智さん。
何で、
笑うの?
レミが言う。
「せ、性格悪い。
意地悪。」
それでも笑ってる那智に。
「…嫌い」レミが言うと
「な、錯覚だろ。
勘違いすんなよ」
那智が言った。
どんなときでも
平常心?焦ったりしない
那智さん。
悔しいっ。
なのに、
…バカかもしれない。
単純かもしれない。
那智さんから見たら
チョロくて、
尻軽かもしれない。
それでも、レミの気持ち
勝手に決めないで。
なんでレミの気持ちがわかってるみたいに
言うの?
期間は短くたって
レミの頭の中…
那智さんばっかりなんだよ?
レミはほんとに…
「那智さんが、好きだもんっ」
怒ってるみたいにレミが言った。
レミはそのまま走り逃げようと
したいのに。
ガシっ。って
那智の腕がレミを逃がさない。
バンって。那智さんが出てきた扉に
押しつけられる。
「お前、おれが好きなの?」
那智さんに壁ドン状態で、
凄まれて聞かれると…
色恋なのに、何か…怒られてるみたいな感じ、
しちゃう。
顔近いし…。
ドキドキして、鼻の下に汗かいちゃうよっ。
見ないでー。
「だから、
そうだって、みんな」
オロオロ、レミが言うと
「は?みんな?」
キレ気味で那智がピシャリ、
切り捨てる。
ドキドキ。
ドキドキ。
那智さんが、レミの目見つめて
すごい真剣に聞いてくるから。
心臓がびっくりしすぎて
気持ちが、言葉になって
なかなか出てこないけど、
やっと
「好きだもん」
言葉が出た。



