ごく。
一口お水を飲んで
酔い覚ましに通りを歩く。
車に戻ってきて
ゆうじくんはまだ…戻ってないのかな。
なんて、思ってたら
「おい、ババアっ。」
「お前に言ってんだよ。クソババア」
何て、女の子の声が聞こえた。
は?
振り返った優香の前に
数人の女の子。
優香はいつのまにか
囲まれてるかのようなカタチ。
え?なに?カツアゲ?
「お前なに、翔輝さんのまわり
うろついてんだよ」
「本気で相手にされてるとでも思ってんの?」
「キモいんだよ。ババアが」
なんて、すごい罵詈雑言。
ひどくないですか?
ていうか、何。この子たち
翔輝の取りまき?
ファン?
アイドルなの?あの男は
みんな派手で
ギャル?
わ。手首にブレスレットみたいに
タトゥー入ってる子もいる
呆然とする優香。
「聞いてんのかよ。ババア」
1人の子が凄んでくる。
クリンクリンでビッシリしたまつ毛。
真っ赤な唇
バッチリメーク。
金髪に近い茶髪で、クルンクルンの
巻き髪。
レッド地のチューブトップに
ゴールドのラインが入ったブラックのパーカー
マイクロミニの短パン。
まだ幼さが残るその顔は
背のびしようと一生懸命してるみたいに
優香には見えて
そんなこと思ってたら。
横から
「なめてんのか、このドブスババア」
別の子がそう言った時
バァンっ。
すごい衝撃音。
え?なにごと。
音のした方を見ると、
何かが壊れて、飛び散ってる?
青いプラスチックかな?ん?
飛んだ?
飛んできた方向を見ると
…翔輝。



