そのまま翔輝が
ゴロッて横になって
「ん」って
当たり前のように
わたしを引き寄せる。
え。
「ちょっ、と」
そう言いかけるわたしに
「マジで 『抱いて』寝るだけ
とか、初だわ」
やっぱりわたしの声は軽ムシで
翔輝はそんな風にちょっと笑って
つぶやいた。
そのまま
わたしの頭は翔輝のアゴの下にポスって
入れられて
翔輝のたくましい腕が
わたしを包むから
…何よ。
年下のくせに
…変なの。
たぶん
わたしのこと抱くだけなら
抱けた、のに
流されて
ううん。正直言うと
翔輝の熱に
翔輝の色気に呑み込まれて
わたしの気持ちが
危なかった。
なのに
解ってて
逃してくれたでしょ?
朝になって
わたしが後悔するって
わかってるみたいに
欲しいのは身体だけじゃない
って思ってるみたいに
わざと
わたしを逃してくれた。
翔輝の熱い腕に
あの香りに包まれて
翔輝の鼓動が
肌に
身体のどっか奥の方に響いて
気持ちがゆらゆらして
眠れないよ。
こいつ。
マジで
やばいオトコじゃん。



