スーパーで食材を買う。




「何食べたい?」



「…肉」



「…りょうかーい」



カートを押す私に翔輝が



ブラブラついてくる。




すれ違う人の視線が私の背後。




翔輝に止まっているのが



わかる。



やだ。



めっちや、注目されてるじゃん。



やっぱ。すごいんだな。



このヒト。



みんなの視線が集まって




とまるほど




無視できない存在感。




…。





キラキラで




ギラギラで。



優香の視線に気づいた翔輝が



「ん?」って



優しい顔をした。




…。



ハンバーグメインに




お味噌汁とポテトサラダ。




それに、ほうれん草のおひたし。





テーブルに並べたわたし。




美味しいかな?



簡単だけど、一応わたしの中では



得意料理なんですけど



席についた翔輝。




…の、箸のスピード!

 

おー、おー、おー。



と思う間に



翔輝はあっという間にたいらげ。




「ごっそーさん」




って、すごい、食べっぷり。




美味しかったなんて




言ってくれなくても




これだけ残さず、美味しそうに食べてくれたら



なんか




嬉しいな。