ドラックストアの駐車場で、
買った消毒液を
優香がゆうじの傷口に振りかける。
いいです。って
強情なユウジに
「うるさい。
じっとして」
また、上から言ってやる。
そんな真っ青な顔して
むかついた優香は、有無を言わせない。
「わ、ひどいじゃん。」
スウェットに血が滲むほどの傷は、
ナイフ?
一直線に切られたようなその傷からは、
ジワジワ、ジワジワ
血が溢れ出てきている。
ぐって、押さえていたら、
とりあえず、血は止まりそうだけど。
縫ったりしなくて、大丈夫なのかな。
「病院、行かないの?
縫わなくて大丈夫なのかな」
心配して聞く優香に
「こんなん、しょっちゅうなんで」
めんどくさそうに答えるゆうじ。
そうなの?
うーん。
お医者さんにもケンカの傷だって、
わかっちゃうだろうし…。
とりあえず、無理矢理行かせるまで
できないし。
傷口を清潔にして血をとめることかな?
無い知識で、腕を止血するために
頑張る優香。
拒否しようとしても
「うるさい」って
優香に一喝されるゆうじは
されるがまま。



