疑問はたくさんあって、
解決したいのに
そんな隙間はないくらい
翔輝には人が寄ってくる。
友達っていうか。何?
VIPルームの入口で
許可されたひとだけ、入ってきてる?
「翔輝さん。この前は世話になりました」
「翔輝さん。ご無沙汰してます。」
「翔輝さん、ちょっと相談が」
そして、なぜか私にも!
一応挨拶してくる。
「あ、いや。はい」
って。
手を振って、違うんです。
ジェスチャーしながら
よくわからない返事するしかないよ?
いやいや。
わたし、全く関係ないですよ?
無関係ですから!
もう、帰りたいー。
「翔輝さん。ちょっといいですか」
あのマコトって子が、翔輝の耳元で
何か言ってる。
「後で」
「はい。わかりました」
その人は部屋を出て行く。
でも少ししたら、また戻ってきた。
「すいません。翔輝さん。
…ですが」
また、耳元で何か言ってる。
「…わかった」
「ちょっと」
翔輝が優香に断るみたいに
そう言って、立ち上がる。
残された優香。
これは…チャンス。
この間に、帰ってやろうかな。



