メアリが後継者であることを示した会議の場にいた近衛騎士隊長たちは、覚えのあるペンダントに目を見開く。

 ユリウス椅子から立ち上がり身を乗り出した。

「これをどこでっ?」

「教会のすぐそばに落ちていたのを、ライル王子の小さな相棒殿が見つけたらしい」

 ライルから、匂いに敏感だから役立つかもしれないと諜報員に預けられたフィーユ。
 鴉より優秀だったと苦笑し肩を竦めたイアンは、モノクルの位置を指で直した。

「これは私の憶測にすぎないが、陛下は予知の内容をユリウスに話していたことを思い出し、辿りつけるよう残したのだろう」

 イアンが話すとオースティンが腕を組んで隊長らを見渡した。

「ランベルト大侯爵が反乱を企てているにしろ、別の何かが絡んでいるにしろ、攫われた陛下が教会に囚われている可能性があり、武装した兵がいると判明しているのならば我々近衛騎士が動く理由は十分。準備が整い次第、陛下を救出するぞ」

 皆がしっかりと頷く中、同じように首を縦に振ったユリウスは、ペンダントを見つめ、メアリの無事を祈りながら唇をぎゅっと引き結んだ。