景都や祐司達が帰ってくると兄貴の事を伝え部屋に入るなと忠告する。頷く3人を見て俺が立ち上がると、祐司と蒼司が俺の腕を掴んだ。
「どうした?」
「兄さん。母さんみたいにいなくならないよね。」と祐司が言う。2人は涙目だった。
「大丈夫。どこにも行かせない。」俺が言うと2人はそっと手を離した。俺はそのまま兄貴の部屋に入った。
「兄貴。大丈夫か?」
「大丈夫だよ。ごめんな。」
「無理すんなよ。」
「分かってる。」
そこまで話すと、会話は続かなくなった。
「なぁ。奏悟…」と兄貴がいきなり言う。
「どうした?」
「もう、兄さんって呼んでくれないの?」そう言う兄さんの顔は笑っていた。